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006 大理石と紅葉

 フィレンツェの街中でも、葉を黄色く変えた木々が目立つようになり、紅葉狩りにそろそろ行っておかないと今年は見られないまま終わってしまうかも・・・

ということで、フィレンツェから北西へ電車で2時間弱の距離にあるカッラーラCarrara)の街の背部にそびえたつ山の上のカンポチェーチナCampocecina)というところへ行ってきました。


この場所は標高海抜1320メートルに位置するのですが、車で一気にこの高さまで上ることができるので、気軽に山の気分を味わうことができます。

駐車場に車を停め、階段を少し上ると、カイC.A.I.=Club Alpino Italiano=イタリア登山倶楽部)の山小屋がすぐに見えてきます。

rifugio

標高の高いところへいくと、風景も建築物もすっかりイタリアらしさが身をひそめ、いかにもスイスといった感じになります。

ここで、昼食をとった後、あたりの散策を開始。



小さい教会が木立の奥に見えてきます。
この教会も、いかにも山岳地帯といった感じのかまえをしています。



林をぬけると、ちょっとした野原が開けています。



進路を右に90度方向転換。
空気が澄んでいるせいか、遠くの人影も話し声もとても近く感じます。
ここを奥まで歩いていくと・・・。

panorama

こんな絶景が見られます。(画像をクリックすると拡大されます)
このカンポチェチナからは、真下にある大理石の採掘場を眺めることができるのです。

この山の麓にあるカッラーラという街は、イタリアにおける大理石業において重要とされる街で、一帯に大理石の採掘場が点在しています。

大理石には色々な模様や形があるのですが、ここカッラーラでとれる大理石は、混じりけのない雪のような白さが特徴で、あの有名なミケランジェロのダヴィデ像もここの大理石を使って制作されたそうです。

今でも、ここ周辺の街には、数多くの彫刻家がアトリエを持ち、また、カッラーラには小さい街であるのにも関わらず、美術学院も存在します。



ちなみに、以前訪れた大理石の採掘場の内部はこんな感じでした。

大理石は下の写真のように、ブロック状に切り分けられて、トラックで麓まで運ばれていきます。





散策を済ませて、山小屋まで戻ってくると、前の広場でホットワインが振舞われていました。
折角だけれど、日も落ちてきたし車で来ているからと遠慮して帰路についたのでした。



駐車場に向かう途中で、このような家を見かけました。
多分、夏季限定の休暇小屋か何かだと思うのですが、注目してほしいのは屋根。
テラコッタの瓦ではなく、石の(しかもランダムな)スレート屋根になっています。
この屋根も、山岳部の建築物の特徴です。





余談ですが、山小屋のトイレは、数回前に書いた”トルコ式”でした。
(※以下にトイレの画像あり)


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005 ロッジャ

 先週の土曜日に夏時間が終了し、急激に日が暮れるのが早くなりました。
日本との時差は7時間から8時間に変更です。

さて、今回はフィレンツェの歴史的地区に多く見られる建築要素である、ロッジャLoggia)を紹介します。

ロッジャ
とは、”少なくとも一面がオープンな、アーチと柱によって支えられた覆いのある空間で、特に16世紀の建築物によく見られる”(wikipedia)もので、フィレンツェで一番有名なのが、シニョーリア広場(piazza della Signoria)のシニョーリアのロッジャLoggia  della Signoria)ではないかと思います。

signoria

この形式のロッジャは公的なセレモニーなどに利用する目的で建造され、トスカーナの他の町でも、市庁舎のある広場に多く見られます。

その次に必ず目にすると思われるのが、ポルチェッリーノのロッジャLoggia del Porcellino)。
porcellino

このロッジャは、もともと絹や貴金属などを売る場所として建築され、18世紀には帽子、そして現在では、みやげ物や革製品を売る露天が立ち並んでいます。

さらにもうひとつ、忘れてならないのが、魚のロッジャ(Loggia del Pesce)。
pesce

もともとは、ポンテ・ヴェッキオの左脇のアルノ川沿いあった魚市場を共和国広場に移す際に建造されたもので、後にここチョンピ広場に再建造され、今ではバールのテーブルが並んでいます。


冒頭で述べたwikipediaロッジャの定義から少し外れますが、フィレンツェには、建物の最上階にもこのロッジャを見ることができ,その建物の多くは広場などに面している気がします。

たとえば、これはサン・ロレンツォ広場(Piazza di San Lorenzo)にて。san lorenzo


これは、アゼリオ広場(Piazza Massimo d'Azeglio)。ここは、窓ガラスで閉じられています。
azeglio


このふたつは、サンタ・クローチェ広場(Piazza di Santa Croce)。santa croce 2
santa croce1


サンタ・マリア・ノヴェッラ広場(Piazza di Santa Maria Novella)。
ここのロッジャもガラスで閉じられています。



中央郵便局裏のダヴァンツァーティ広場(Piazza dei Davanzati)。



これも、ロッジャの一種?コロンナ通り(Via della Colonna)にて。





一方通行の狭い路地に面したロッジャつきの建物もあるにはありますが、基本的にはやはり眺めのいいところにある建物に設けられていると思います。

イタリア建築の大事な要素として必ず「室内からの外の眺め」があげらるので、この最上階にあるロッジャはおそらくは日をしのぎつつ景色を眺めながら多目的に活用する空間なのだと思います。

004 暖房

 先週から天気はいいけれど、ぐっと気温が下がり、もうすっかり冬のイタリアです。




イタリアの天気予報ほどあてにならないものはありませんが、いつも見ている天気予報のサイトによると本日の最低気温は1℃・・・。

この、例年よりだいぶ低い気温を運んできた寒波は、どうやらヨーロッパ中を覆っているようで、ポーランドの友人からは、木に青々とした葉がついたまま雪が降る景色なんて初めて見た、という便りが届きました。


こう急に寒くなると、会話に出てくるのが、当然暖房の話です。
というのも、ヨーロッパでは一般的な集合住宅は、セントラルヒーティングという(集合住宅ごとに設置されたボイラーなどで温められたお湯が、各家庭の各部屋に設置されたラジエータまで送られ循環する)システムが採用されていて、法律で決まった期間しかつけることができず、急に寒波が襲った場合、使用許可を待たなければならないからです。
 
このセントラルヒーティング、各家庭で火を使う訳ではないので安全で、室内では半袖で過ごせるくらい暖かくなるのですが、夜間はオフにされるので、明け方はとても寒かったりします。

僕の今の家にあるのは、このセントラルヒーティングではなく、通常台所にあるガス湯沸かし器にラジエータが接続された独立式です。
自分の好きなときに自由につけられるのは利点ですが、光熱費を気にするあまり、あまり使わないようにしてしまうのは欠点かもしれません。

ラジエータのオーソドックスな形はこれ。






上から見ると、こんな背骨を彷彿させる形をしています。
設置場所にあわせてこのモジュールの数を変えて、幅を変化させます。
効率を考えると、理想的な設置場所は窓の下ですが、デザイン上見せたくないときは、ドアが開いたときに後ろに隠れるように設置されたりもします。
たいてい、各部屋に最低ひとつと、トイレにも必ずひとつ設置されています。

冬は、この上に洗濯物を干すのに便利だったりします。


先々週のCERSAIEでは、このラジエータを取り扱っている企業もいくつかあり、カレイド(Caleido)という北イタリアのブレーシャBrescia)の企業のものには、少し目をひかれました。









003 イタリアのバスルーム

 週末の日曜日は、すばらしく良い天気だったにも関わらず、昨日の雨で急激に冬に突入した感のあるフィレンツェですが、日本はどうでしょうか?

さて、前回のCERSAIEつながりで、今回はイタリアのバスルームについてちょっと書いてみようと思います。

イタリアでは他の欧米諸国と同じく、トイレと浴室は同じスペース内にあり、そのスペースはバーニョ(Bagno)と呼ばれています。

バーニョの中には通常、シャワーボックスもしくは浴槽、洗面台、大便器、ビデ(Bidet)が設置されています。
この最後にあげた日本ではあまり馴染みのないビデとは、排泄後などに局部を洗う目的で利用される、いわばウォッシュレットのようなものです。

(画像はwikipediaより)

上の画像の手前がそれで、ウォッシュレットと違うのは、ビデについているのは普通の蛇口なので、バシャバシャと水と石鹸を使って洗えるところです。


一般のイタリア人家庭では、浴槽がなかったり、あっても追い炊き機能が存在しないので、日常的にお湯につかるという習慣がなく、お風呂に入る=シャワーをあびるという感じなのですが、そのシャワーすらも毎日という訳ではなく、その代わりにビデを頻繁に利用するようです。

日本のサウナのような夏とは違って、湿気のなくからっとしている国だからこそ、それが可能なのでしょう。

日本人にとってバスタイムとは日常的なリラックスの時間でもあるのに対して、イタリア人にとっては、ただ体が匂うようになったり、大事な用事がある時に身なりを整えるための時間、という考え方の違いからくるとも言えると思います。

また、ローマ時代のイタリアには大浴場というものが存在したことを考えると、体を洗うのをタブーとしたキリスト教の影響がとても大きいのかもしれません。



参考までに・・・。
今、住んでいるアパートのバーニョはこうなっています。


1:便器 2:ビデ 3:洗面台 4:シャワースペース
(4はシャワーボックスではなく、シャワーカーテンで仕切られているだけ)
自分の経験上、バーニョはアパートの場合、こういった細長い平面図になる確率が高い気がします。


余談ですが、マルセイユにあるコルビジェユニテ・ダビダシオンに泊まった時には、ビデがバスルームの外に置かれていて、フランスだとトイレの配置が違うんだな、と思った記憶があります。
まあ、もしかしたらカップマルタンの休暇小屋に見られるように、コルビジェが単にトイレというものに、全く無頓着だったからなのかもしれませんが・・・。


ちなみに、イタリアにもかがむ形式の和式便所のようなものが存在し、トルコ式と呼ばれています。
掃除が簡単なのと、便座が壊れたり盗まれたりのを防げるといったメンテナンスの面などから、主に公衆便所に使われています。

002 CERSAIE

先週の9月29日から10月3日までボローニャBOLOGNA)で行われた、セラミックの国際見本市チェルサイエCERSAIEへ行ってきました。

ボローニャフィレンツェからユーロスターで約1時間の距離にあります。


bologna



このチェルサイエは建築・インテリア用のセラミック、つまりタイルや便器、洗面台、ラジエーターなどの陶製品の見本市です。

基本的には建材屋向けの見本市だと思われるのですが、沢山の企業が参加していて(公式サイトによると世界各地から1、036もの企業が参加、訪問者は83、137人)、かなり見ごたえがありました。

日本からはINAXが参加していました。


基本的にはスタンド内は撮影禁止なので、ほとんど写真はとれません・・・でしたが、会場はこんな感じです。


タイル部門。



水周り部門。



タイルという素材は、日本の家だと玄関周りと水周りくらいにしか使われていませんが、イタリアだと普通に床材として木よりも頻繁に使われています。


僕の家の居室の床もこんなタイル貼りです。幅木(はばき)もタイル。
夏に素足で歩くとひんやりしていて気持ちいいですよ。

 camera da letto

そういえば昔の家はお風呂はタイル張りだったし、タイルが使われていると空間の贅沢感が増すから、もっとピンポイントにでも日本の家でタイルが使われるようになってもいいのに、と会場を4時間近く練り歩きながら思いました。


ちなみに、会場内には中国人が沢山いたので、あの国の家ではタイル使用率が高いのかもしれません。



最後に、余談ですが・・・



丹下健三の建築物は、死後4年にして未だ建築中です・・・。

001 Piacere!

はじめまして、こんにちは。

本日より、三洋ハウスイタリアデザイン事務所でもブログを始めることになりました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。


さて、今回は三洋ハウス・イタリアデザイン事務所について軽く説明させて頂こうと思います。

 三洋ハウス・イタリアデザイン事務所
は、イタリア中部トスカーナ州のフィレンツェFIRENZE)に置かれています。
 フィレンツェがどういった町かは、説明するまでもない程知られていると思うので、ここでは省かせてもらいますが、他のイタリアの主要都市との位置関係は、ちょうどイタリア経済の中心地ミラノと首都ローマとの中間点といった感じです。
下図のフィレンツェ



stivali med


フィレンツェといえば『冷静と情熱のあいだ』でも出てくるこのドゥオーモ、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂Cattedrale di Santa Maria del Fiore)。

doumo
このドゥオーモから東へ徒歩で15分程、ユネスコの世界遺産に登録されている歴史地区がここでほぼ終わると言うところに、三洋ハウス・イタリアデザイン事務所はあります。
市場や大学などの教育機関が立ち並び、観光客で溢れる中心部とはがらりと雰囲気が変わります。


ココが事務所のある通りです。
ちなみに中央部に見える外灯のようなものは、侵入する車をチェックするためのゲート。
歴史地区には、昼の間、住民もしくは特別に許可を受けた人しか車で入れないようになっています。


近くにはフィレンツェの中心部では珍しい公園もあり、天気の良い日にはココでお昼を食べたりも・・・。


近くのサンタンブロージョ市場(mercato di Sant'Ambrogio)の様子。



なんだか冗長になってしまいましたが、三洋ハウス・イタリアデザイン事務所がどういった所にあるのか、雰囲気だけでもわかって頂けたのではないでしょうか。


それでは、今回はこの辺で。

イタリアンデザインの首都ミラノとは全く違う、職人と芸術の古都フィレンツェからならではの、様々な情報を建築やデザインの分野に限らず写真を交えてお伝えしていければ、と思います。

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