2月の頭にヴァカンスの地として有名なサルデーニャ島の州都カリアリ (Cagliari) まで行ってきた時の話を少し。
同僚のアンドレアが指導している学生の卒業論文の舞台がこのカリアリの町で、その下見についていったのでした。
実はサルデーニャはイタリア生活13年目にして初の上陸地。
何故かカリアリという都市に対して、『美しい自然のあるサルデーニャ島にある醜い工業都市』という先入観を持っていたのですが、実際に行ってみるとその先入観は見事に覆されました。
鹿児島と同じく南にあり、湾に面している港町なので風景もなんとなく似ていて、着いてすぐに親近感を持ちました。
14世紀から約300年に渡りスペインの支配を受けたので、スペイン文化も深く残っているようで、例えばお店はシエスタのためお昼休みが長いし、夜にレストランが混み始めるのも21時以降とかなり遅い。
建築物でスペイン的、と感じたのが、掃き出し窓と奥行きのない装飾的なバルコニーです。
そして、カリアリの歴史的地区の建物で特徴的と思われるのが、外見は大きなひとつの建物に見えるものが、上から見るとそれぞれに屋根のかかった幾つもの建物の集合体であること。
またファサードの上部に屋根の矢切を隠すための(?)壁が設けられている事が多くて、倉庫地帯のような三角屋根が連なっている光景がよく見られました。
町を散策していて偶然入った教会がイエズス会のもので、そこのサグレスティア(準備室)に、殉職した二人の日本人の聖人と宣教のために鹿児島に上陸したフランシスコ・ザビエルの絵画を見つけた時にはその偶然のつながりに軽い感動を覚えました。
滞在中はカリアリの複雑な歴史を垣間みることのできる、フェニキア人の遺跡やローマ時代の劇場も見て回りなかなか充実した旅だったのですが、唯一の心残りは先史時代の遺跡であるヌラーゲを見に行く事ができなかったこと。
近いうちにまたサルデーニャに戻れることを祈ります。
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