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121 CASA CIELO



鹿児島市武一丁目に同僚のアンドレア•ヴォルペ監修で設計したカーサチェーロ (CASA CIELO) を、12月9日/10日に開催されたフィレンツェ大学建築学部の学会 identità dell'architettura italiana (イタリア建築のアイデンティティ)において、学会誌掲載の形で発表しました。







以下に掲載文の和訳を載せます。
元の文章がイタリア人向けで、学会誌に書かれたものであるために少し特殊で、
しかも僕の翻訳能力も限られているのでうまく訳せているか疑わしいですが、ご了承ください。






JUGEMテーマ:建築

この町では火山が場を支配している。
その存在感は強く、神秘的でさえある。

島津氏の領地であった大地を黒い火山灰で覆いつくしながら、桜島はかつての薩摩藩の時の流れを教えてくれる。

鹿児島には既に中世に港があり、江戸時代には西洋との貿易によって栄え、また日本に宣教師が最初に訪れた町としても知られている。その地形学的な類似性から東洋のナポリと呼ばれ、1960年よりカンパーノ州の州都ナポリと姉妹都市提携を結び、イタリアと永続的な文化交流の関係を築いている。

一見奇妙なこの2つの町の繫がりだが、どちらの町も南部に位置し、1万キロメートルの距離を隔て、火山が同じように入り江に横たわっており、その類似性のおかげか今回この小住宅を設計する機会を得る事ができた。


この住宅はアルド•ロッシの建築作品のある福岡から電車で1時間ほどであり、町の幹線道路であるナポリ通りからわずか数百メートルの距離にある。

駅からも近く、その利便性から不動産的価値の高い敷地にあり、そこにイタリア建築のアイデンティティを持った住宅を設計することが求められた。

それは簡単な注文ではなく、なぜなら木造である故に壁は10センチ程の薄さであり、降灰や降雨、土地の値段の問題から中庭やパティオを設ける事ができなかったからである。

そこで対立的弁証法を導入することにした。


この住宅は美しいとは言えない町並みの中に組み込まれ、防火や耐震のため壁や構造を共有できず、周囲の高層住宅に阻まれて湾岸や火山を眺める事も出来ない。

住宅はテラスハウスの最初の核のような形をしており、動線と水回りなどの副次的な機能のボリュームと、和室を含む主要な機能を持つボリュームの2つが隣接した形をとっている。

伝統的な和風建築の柿渋のような黒い木材風の外装材で葺かれたこの家は、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』で述べられている建物内の闇のテーマを解釈したものであり、それを反転させて建築外に溶岩のような黒さの装いを持たせ、吹き抜けに大きな窓を設けた。

その窓は近くの公園の唯一の木を眺めるための『目』であり、そこから見えるのは風景の最後のかけらである。

その他の風景として室内に中世の集落のイメージを呼び起こした。

リビングは小さい広場となり、そのファサードとしての内壁にはバルコニーがあり、窓がくりぬかれ、その窓はプライベートな空間や青い空に開かれている。

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