先週は晴天で気温もそこそこの穏やかな日々が続き、ミモザの花の蕾が膨らんでいるのを見て、もう春も近い、とウキウキしていたのですが、今週に入ってまた厳しい寒さが戻ってきました。
でも、やっとで事務所にも暖房が入ったので、何とかやっていけそうです。
さて、今回は事務所に置くスツールを夢見て、リサーチをしてみました。
イタリア語ではスツールのことをズガベッロ (
sgabello) といいます。
まずはイタリアンデザインの巨匠、カスティリオーニ兄弟のものから。

メッツァードロ
(
Mezzadro) /
Achile, Pier Giacomo Castiglioni / Zanotta (1957)
農業用のトラクターのシートを再利用したもの。

セッラ
(
Sella)
/
Achile, Pier Giacomo Castiglioni / Zanotta
(1957)
自転車のサドルを利用したもの。
昔の壁に固定されていた電話を利用するときのための椅子としてデザインされたもので、座面が71センチと高くなっています。
同じくザノッタから出ているマックス・ビルのスツール。

ズガビッロ (
Sgabillo) /
Max Bill / Zanotta (1950)
バウハウスで学びウルム造形大学の初期学長となったマックス・ビルが学生のためにデザインしたスツール、と一般的にされていますが、どうやら1950年にイタリアの家具メーカー、
ザノッタ (
Zanotta) のためにデザインしたのものが元になっているようです。
大学のためにウルマー・ホッカー (
ulmer hocker) の名で1954年デザインとなってるいるものは、現在
ヴィトラ・デザイン・ミュージアムから復刻されています。
ザノッタのものと比べると安い分、廉価版という感じがしないでもないですが(下の画像を参照)、よく言えば北欧らしく、そう悪くないと思います。

違う高さで座れるよう、横置きにしても使えるようになっています。
同じくザノッタから出ている、ブルーノ・ムナーリのスツールと椅子の中間のようなものは、見た目が衝撃的です。
5000 singer /
Bruno Munari / Zanotta (1945)
『最短の訪問の為の椅子』と説明されています。
Stool 60 /
Alva Aalto /
Artek (1933)
フィンランドの建築家、アルヴァ・アアルトのデザインしたスツール。
4本足のStool E60と、その子供用のstool NE60があり、個人的には子供用のもの(下の画像参照)のプロポーションが好きです。


日本が誇るデザイナー、柳宋理のバタフライスツール。
天童木工より販売されています。
形は好きですが、このスツールは存在感がありすぎて、究極的にミニマルな空間に置く、とかでないとちょっと難しいかもしれません。
木素材のスツール、と限定するならば、無印良品のものも悪くないと思います。

オーク無垢材ベンチ『中国で古くから使われてきた伝統的な形状のベンチで、コンパクトなサイズと汎用性の高さが特徴です。』 とのことです。サイズは2種類。
ヨーロッパの無印良品では、オーク材のシンプルなスツールが販売されています。



15世紀のデンマークで靴職人の椅子として普及した、シューメーカー・スツール。
Wernerというところが出しているそうですが、道具として使われていく中で完成したものなので、特定のデザイナーは居ないようです。
おしりにフィットするような形に座面が作られていているそうで、たしかに見てるだけで座ってみたくなるような・・・。
PK91™ / Poul Kiaerholmlm / Fritz Hansen (1961)
デンマークのデザイナー、ポール・ケアホルム
の折りたたみ式スツール。
画像はリプロダクトのものだけど、オリジナルの
Fritz Hansenが出しているものは、2738ユーロ (30万ちょっと)。高いけどかっこいいなー・・・。
同じくFritz Hansenからアルネ・ヤコブセンのドットスツール。

DOT™/ Arne Jacobsen / Fritz Hansen (1970)
何の変哲のないデザインに見えますが発表当時は、画期的だったのかも・・・?
もっと遊び心を表現したかったら、フィリップ・スタルク (
Philippe Starck) の
La Bohèmeもいいかもしれません。

白い空間には映えると思います。
もしくは、
Gnomiで、ピクニック気分。

それとも、いっそPonyはどうでしょうか。
Pony / Eero Aarnio / ADELTA (1973)
もう何年も前のカーサ・ブルータスでも紹介されてましたが、これを会議室用の椅子として使っている会社があるとか何とか。
探せばまだまだ出てきそうですが、今回はこの辺でやめておきます。
なんだかんだ言って、本当に買うとなったら無難なアルヴァ・アールトあたりに落ち着くような気がします。
みなさんも、何かお勧めのスツールがあったらぜひ教えてください。